
こんにちは、橋本夏子です。20年以上の女性誌作りのノウハウを詰め込んだ『女性に売れる言葉とデザイン』の出版記念イベントを、代官山 蔦屋書店で開催。

ゲストは、TBS『金スマ』『からくりTV』などを手がけたテレビプロデューサー・角田陽一郎さん。テレビと雑誌、ジャンルを超えた「コンテンツの作り手」同士としてのセッションが実現しました。
革命をアイドルの世代交代で例えるって天才!
角田さんの著書『最速で身につく世界史』で印象的だったのが、「革命をアイドルの世代交代に例える」という例え。
本当にわかりやすくて、さすがバラエティのプロ!情報を短く、面白く、伝わる言葉に変える力は圧巻です。まさに“比喩の編集”の威力ですね。

女性に響くのは、数字じゃなく“使ったあとの私”
トークの中で「女性に響く言葉の例って?」と角田さんから。
「ヒアルロン酸配合」より、「翌朝、顔色がパッと明るくなる」のほうが伝わる。
その商品を使った“未来の私”が想像できる言葉が響くんです。
さらに「うるっと」「サラサラ」など擬音語も大活躍。
意味よりも“感覚”で伝える言葉の力は、女性誌でもずっと大切にしてきたポイントです。こうした“伝わる言葉”への変換術も本では紹介しています。

「なりきること」「共感すること」が、企画の出発点
イベントの中で、角田さんからこんな質問をいただきました。
「夏子さんは、PopteenやNIKITAなど世代の違う女性誌をつくっていましたが、どう作っていたんですか?」
Popteen時代は、マツエクもウィッグも実際に自分でつけて、ギャル文化を“肌で”体感してました(笑)。
当時の読者は、渋谷のやまんばギャルやプリクラ世代。編集者である自分がその世界観に本気で飛び込まないと、リアルな企画はつくれなかったんです。
逆に、NIKITAのような40〜50代向け雑誌では、ホテルのバーに飲みに行ったり、年上の女性たちとお話したりして、「その世代の空気感」を感じとることから始めました。さらに、徹底的な取材を重ねることで、初めて“刺さる言葉”や“伝わるビジュアル”が見えてきます。

なので、私は、どんな企画でもまず最初にやるのは「その人になりきるくらいまで取材すること」。これが編集の核だと思っています。
この話をしたとき、角田さんがすごく深く頷いてくださって、「やっぱり雑誌もテレビも、本質は“寄り添い”なんですね」と言ってくださったのが、すごく印象的でした。
ビジュアル先行の時代だからこそ、言葉の設計が大事になる。
最近は、企画書もSNSも、見た目が重視されがちですよね。でも、実はこんな時代だからこそ、自分自身の言葉で組み立てる力が大切だという話に。
• 誰に
• 何を
• どう伝えたいか
ここが曖昧だと、どんなビジュアルでも“刺さらない”。
本の中でも、言葉で組み立てる企画力について説明していますが、角田さんも新たに雑誌を作るということで、企画はWordで書き込んでいるそうなんです。
角田さんとの対談で女性誌編集者として大切にしてきた、コンテンツ作りの要「寄り添う」という軸も改めて気づかされました。
マーケティングや発信の現場では「どうやったら買ってもらえるか」が先行しがちです。でも、本当に大切なのは、「この人、私のことわかってる」と思ってもらえること。
こちらの伝えたいことだけでなく、どう受け取ってもらえるか。その技術と思考法を本も中でもお伝えしています。
参加してくださった皆さま、そして角田さん、本当にありがとうございます!!コンテンツのプロとして尊敬する角田さんとご一緒できたこととても嬉しく思っております。

また嬉しい感想もいただきました。
「今までマーケ本はたくさん読んできたけど、こんなに実践的で女性にどう届けたらいいか具体的なものはなく感銘しました!」と九州の会社の男性マーケッターの方からもメッセージいただきました。男性にも響いています!
『女性に売れる言葉とデザイン』が、この本が、もっと「伝えたい」が「伝わる」に変わるきっかけになれば、とても嬉しいです。
▼『女性に売れる言葉とデザイン』フォレスト出版